The談怪 又は「座談会をかねた飲み会」

(平成7年10月21日、練習を終えて)

鮎飛●さて、今年で3回目ということで、いろいろ高山市民吹奏楽団のことをわかってきていただいていることと思いますが、今日の練習を見て、技術面だとか、演奏面でここは進歩してきているぞ、ここはまだまだだなあというところを一言いただければと思いますが。

岩井先生■難しいなあ。いや、あのね、バンドのまとまりは前よりずっといいですよ。ただ、各セクションとも音がしっかり合わないところは相変わらずだなと(笑)。これがしっかり合うと、もっとすごく澄んだ音がするんじゃないかな。

小坂(法)●例えば、具体的には・・・

岩井先生■経験豊かな人が2番吹き、3番吹きに入ったほうがいい。下に入るっていうのはね、やっぱり難しいもん。日本ってのは、一般的に下手な人が下なんだけど、それは逆なのね。音楽って、トップがひっぱるときたなくなるんだよね。それより、下から持ち上げてやるほうがいい。で、トップがこの上にうまく乗る。わかったかな?

団員一同●よくわかりました。

岩井先生■今日はスゥイングものだけやったわけだけど、スタンケントンの曲はテンポが速いから、クラシック的な要素が若干入っている。だから、ある程度ごまかしがきいているけど、スカイナイナーのほうは完全なスウィングもので、これはまだ、やっぱり完全に乗り切っていないな。跳ね方に問題があるんじゃないかな。それとあとはタンキングの問題。前から言っている、いわゆる”do”ね。

小坂(法)●ええ。

岩井先生■もう、みんなで”do”と吹き出したら、それだけでスウィングになるんだよ。

団員一同●なるほど。

鮎飛●全国の市民バンドをまわってみえて、高山市吹は他の市吹と比べてどんなところが違いますか?

岩井先生■今、一般のバンドでの中では、わりとよくやっているほうではないですか?♪ゴリゴリ(先生がゴマをすっているときの音)
ぼくがまわっているバンド以外でも聞くとね、一般のバンドの中では、そうだな、3分の1くらいは少しはものになるかな。あとは全くダメ。

小坂(智)● それでは、高山市民吹奏楽団も少しはみどころがあるのでしょうか?

岩井先生■いやあ、だから、まあまあ様になってる。

小坂(智)●本番は年に何回くらいですか?

岩井先生■う〜ん

大萱●わかんないくらい?

岩井先生■7月と8月をどければ、あとの月は毎週土・日が殆どだね。今年は7月も8月も結構あったんだけどね。(この記事は平成7年のものです)

団員一同●はぁ〜

岩井先生■あ、1月も無いかな。書きものに追われているから。それで2月がほとんどで、7月は1、2回。でも、今年は7月が3回、8月に4回あったかな。つまり多いんだって言ってんだけどね。

団員一同●(笑)

大萱●先生が、満足いいったなと思われるのは、どんなステージですか?

岩井先生■そうねぇ、ウワーってくるステージは出来の良い、悪いにかかわらずいいね。そうゆうステージはわりと満足感あるね。終わってから。

大萱●去年のうちの定演はどうでした?

岩井先生■おもしろかったよね。お宅の。だけどメンバーは慣れていなかったけど。逆に言うと、それが良かったのかもしれないね。ギャップがあって。

大萱●失礼しました。(笑)

団員一同●(笑)

中村●この路線にだんだんはまってきているんではないかと・・・。

小林●だんだんドツボに・・・。

岩井先生■いろんなのがあっていいと思いますよ。

大萱●うちのバンドはやんちゃなんですよ。

岩井先生■いやあ、だけどあれだけメンバー揃ったら、おもしろいものできるぜ。

小林●さっき先生と車の中で話していたのは、やっぱり市民バンドとしての土台を忘れちゃいけないという・・・そうゆうところをぼくらは大切にしているつもりなんやね。

中村●話が佳境に入ってきたなぁ。

小林●話が核心に迫るところで発言しとかないと、書いてもらえない(笑)。コンクールっていうところで、音楽に面白味がなくなってくるバンドっていますよね。

岩井先生■いやもう、それは本当にある。

小林●だからぼくたちの活動っていうのは、ある程度目標を達成したようで。例えば、老人ホームへ行って演奏したり。

岩井先生■そう、それはすごくいいと思うよ。

小林●市のイベントで演奏したり、アンサンブルやったり、式典演奏やったり。

岩井先生■それと、これからは、一般の市民バンドもカラー持たなきゃだめだな。

団員一同●(大きくうなづく)

岩井先生■あのね、コンクール志向になるとね、全部同じになる。

団員一同●ぼくらはコンクールバンドにはなりません!!

岩井先生■最近のコンクールはある程度、こう、きれいにまとまってね、ほいで、ふにゃふにゃふにゃ〜っとした演奏じゃないとダメなんだね。そしたら吹奏楽なんていらねってんだよ。オケやれっての。

大萱●いいんですか? そんなこと言っちゃって。テープまわってますよ。

団員一同●ピーッ!!(爆笑)

岩井先生■だからね、間違ってきてんだよ、今の方向が。吹奏楽って、ある程度荒っぽくてサウンドがうるさくていいの。これ魅力だもん。

小林●やっぱり岩井先生、高山市吹向きだ。

団員一同●(大笑い)バッチリ!

岩井先生■だってさ、吹奏楽からそれ取ったら、

岩井先生■団員一同●な〜んにも残らない!

岩井先生■そうだよ、その辺が魅力なんだよ。あの迫力あるサウンドっていうのが・・・。だから吹奏楽のフルバンドとジャズのフルバンドと、ちょっと似ているところがあるだろ。

小坂(智)●オーケストラみたいな音がしたりするし、少ない人数で大きな響きがするところが、吹奏楽のおもしろいところですよね。

岩井先生■うん。だから素材が何であってもいい。それを吹奏楽的に演奏するほうがいいわけよ。魅力あるよね。だけど、みんなプロのポップの吹き方を吹奏楽に持ち込むのが少ない。若干入れてるけどね。

小坂(法)●でも、そういうふうにぼくが演奏すると、みんなエッチっていうんですよ。

岩井先生■ああ、そう。

柳原録音係●(物事には限度ってものがあるんやさ)

団員一同●(爆笑)

小林●でも、エッチっていうのは誉め言葉で、だから毎回ソロを最後にもってくるのは、あのエッチなソロを楽しみにしている人もいるからなんやね。

小坂(法)●人生かけて吹いていますよ。(笑)

こんな具合で、岩井先生がいらっしゃるたびに、このような話をしながら毎回飲んでいます。こんな生活を平成5年からずうっとやっているんですよね。岩井先生も、よく私達に付き合ってくださっていますね。(感謝)

平成7年10月21日 はるとーんにて

■参加者■ (当時の役職)

大萱真紀人理事長
鮎飛龍男副理事長
小坂法幸インスペクタ
小坂智子事務局長
中村竜冶定期演奏会室長
小林雅文副定期演奏会室長
■撮影:小笠原和彦、録音:柳原正人、テープ起こし:河渡真一、佐藤優子、田中秀幸、谷本直美、都高智美、藤守学、山口貴史、山田葉子